CT Colonography
大腸CT検査 (CTコロノグラフィ)
身体への負担が少ない画像検査で、
大腸の病変を評価します。
目次
大腸CT検査(CTコロノグラフィ)とは
About CT Colonography
大腸CT検査は、「バーチャル大腸内視鏡」や、「CTコロノグラフィ」とも呼ばれます。 内視鏡を使わずにCTを利用し、大腸内部の様子を診断する検査です。
細くて柔らかいチューブを肛門から挿入して炭酸ガスを注入し、腸管を膨らませた状態で撮影します。撮影したデータは画像処理の後、 コンピュータ上で3D画像として再現でき、大腸がんやポリープなどの早期発見につながります。大腸カメラに比べると、事前に服用する下剤の量も少なく、 患者様の体にかかる負担が軽減できます。
当院では、快適性と安全性に配慮し、分かりやすい説明と丁寧なフォローを心がけています。
当院の大腸CT検査の特徴
Our Features
大腸CTでわかる主な所見
Main Findings Detectable by CT Colonography
大腸CT検査(CTコロノグラフィ)で評価可能な代表的な所見の例です。
- 大腸ポリープ(おおむね5mm以上)
- 腫瘤性病変・大腸がんの疑い
- 憩室・憩室炎の所見
- 腸管狭窄・閉塞の疑い
- 壁肥厚・炎症性変化
- 陰影欠損・充填欠損
- 粘膜面の不整・扁平病変の疑い
- 術後変化・吻合部の評価
- 便塊・残渣の評価(タグ付け併用)
- 腸管外所見(肝・腎・膵・脾などの偶発所見)
- 出血の間接所見 など
大腸CT検査のメリット・デメリット
大腸CT検査のメリット
- 検査時間が短く、苦痛が少ない。
- 内視鏡が苦手とする「大腸のひだの裏」や「曲がり角の裏」などの観察にすぐれている。
- 大腸カメラの挿入が困難な方でも実施可能。
- 下剤や、腸管洗浄液の服用量を減らすことができる。
- 大腸だけではなく、腹部の他の臓器の情報も一緒に得られる。
大腸CT検査のデメリット
- 組織採取やポリープ切除はできないため、病変が指摘された場合は、改めて大腸カメラ検査を受ける必要がある。
- CT撮影に伴う被ばくがある。
- 5ミリ以下のポリープや平坦な病変は検出しにくい。
検査後の対応
画像所見は専門医が総合的に判定し、結果説明時に今後の方針をご案内します。必要に応じて、大腸内視鏡検査や 腹部超音波・CTなどの追加検査をご提案します。
当院からのご案内
便潜血陽性の指摘があった方、内視鏡が苦手あるいは困難な方、大腸のチェックを行いたい方に 大腸CT(CTコロノグラフィ)は選択肢となります。異常が疑われた場合は、適切なタイミングで内視鏡検査をご案内します。
検査の流れ(大腸CT検査)
Flow of the Examination
大腸CT検査(CTコロノグラフィ)は、内視鏡を挿入せずに大腸内腔を評価する検査です。検査時間は撮影自体で約10分前後ですが、事前の腸管前処置や体位変換を含めると全体で30〜60分程度です。
1事前診察
大腸CT検査前の診察を受けてください。診察の予約は消化器内科外来を受診していただくか、24時間WEBから診察予約をしていただくことも可能です。 診察後に大腸CT検査時に必要になるお薬(造影剤や下剤)をお渡しします。
2検査前日
検査前日にお薬(造影剤や下剤)を飲んで腸をきれいにします。夕食は検査食もしくは消化の良いものにし、夜18時までに済ませてください。
3検査当日
検査予約時間の15分前にご来院いただき、受付を済ませてからCT検査室にお越しください。
4検査
検査着に着替えてから検査室(CT検査室)に入り、検査台に横になります。 細長いチューブを肛門から数cm入れ、炭酸ガスを注入して大腸を膨らませます。
5CT撮影(うつ伏せ・あお向け)
CT撮影を行います。うつ伏せとあお向けで、それぞれ画像の撮影を行います。 画像を確認後、チューブを抜いて検査は終了です。
6後日診察
撮影した画像をもとに、仮想大腸内視鏡像を作成し診断します。 検査から1週間後以降の日程で診察予約をしていただき、診察結果を説明いたします。
大腸CT検査(CTコロノグラフィ)の費用
Examination Fee
保険診療の場合、費用は検査内容(造影剤の使用有無、解析の方法)やご負担割合により変動します。以下は案内用の区分例です。正確な金額は受付にお問い合わせください。
| 検査内容 | 1割負担 | 3割負担 |
|---|---|---|
| 大腸CT検査(CTコロノグラフィ) | 2,500円前後 | 7,500円前後 |
※上記は区分例です。初診料・再診料、採血等は別途かかる場合があります。
※造影剤の使用有無や体質・既往により検査内容が異なる場合があります。
よくあるご質問(大腸CT検査)
FAQ
被ばくはどのくらいありますか?
当院では被ばくを最小限に抑えるため、低被ばくプロトコルで撮影を行います。医療における有用性と安全性のバランスを考慮し、適切な撮影条件で実施します。
検査は痛くないですか?
細いチューブを直腸に挿入して大腸に炭酸ガスを送り、腸を膨らませて撮影します。強い痛みは通常ありませんが、お腹の張り感を一時的に感じることがあります。炭酸ガスは体内に速やかに吸収されます。
前処置は必要ですか?
はい。検査前日からの食事制限や下剤・造影マーカー(便のタグ付け)などの前処置を行います。体質や既往症に応じて前処置の方法は個別に調整します。
造影剤は使用しますか?
検査目的や体質により、造影剤を併用する場合があります。使用する際は、既往歴(アレルギー、喘息、腎機能など)を確認したうえで安全に配慮して実施します。