Gastric Polyp
胃ポリープ
種類・症状・原因・出来やすい人・放置リスク・検診後の流れ・治療について解説します。
目次
胃ポリープとは?
What is Gastric Polyp?
病気の基本を押さえ、適切なフォローにつなげましょう。
胃の粘膜表面に生じる小さな隆起(ポリープ)を指します。代表的なものに胃底腺ポリープと過形成性ポリープがあり、発生背景や悪性化のリスクが異なります。
一般に胃底腺ポリープの悪性化はまれですが、過形成性ポリープではサイズや所見によって注意が必要です。
胃ポリープの自覚症状
Symptoms of Gastric Polyps
多くは無症状。背景の胃炎や出血に伴う症状に注意します。
無症状が多い
ポリープ自体は自覚症状に乏しいことが一般的です。
胃炎に伴う症状
背景に慢性胃炎を合併する場合、胃部不快感・痛み・食欲低下などを伴うことがあります。
出血・貧血
過形成性ポリープでは微量出血が持続することがあり、抗血小板薬/抗凝固薬の内服や透析中の方では貧血につながることがあります。
胃ポリープの原因
Causes of Gastric Polyps
タイプにより背景が異なります。
胃底腺ポリープ
ピロリ菌未感染の胃に生じやすいとされ、胃底腺の拡大・隆起が主体です。悪性化は極めてまれです。
過形成性ポリープ
ピロリ菌感染に伴う粘膜の修復・再生が繰り返される中で、過形成的増殖を来して形成されると考えられています。一部で悪性化の可能性があります。
胃ポリープの出来やすい人
Who is at Risk of Gastric Polyps
ピロリ菌の有無や胃炎の関与が指摘されています。
胃底腺ポリープはピロリ菌未感染の方に、過形成性ポリープはピロリ菌感染の方に比較的生じやすい傾向があります。
全体としては胃炎がある方にポリープが見つかりやすい傾向が知られています。
胃ポリープの放置リスク
Gastric Polyps
タイプにより悪性化リスクが異なります。
胃底腺ポリープの悪性化はまれです。一方で過形成性ポリープは、一部で悪性化の可能性があり、1cm以上になった場合は経過や対応を検討します。特に2cm超では切除を含めた治療適応を積極的に検討します。
胃ポリープの治療
Treatment of Gastric Polyps
経過観察・内視鏡治療・外科手術を状況に応じて選択します。
経過観察
1cm以下で所見が良性と判断される場合は、定期的な内視鏡フォローで経過観察とすることが一般的です。
内視鏡切除
2cm以上、悪性が疑われる所見、あるいは短期間での増大などがある場合は、ポリープ切除などの内視鏡治療を検討します。
外科手術
ポリープが大型であったり、がん化が確認された場合など、状況に応じて外科的切除が選択されることがあります。