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Chronic Constipation

慢性便秘

症状/注意サイン/種類と原因/原因となる病気/検査/治療/自力解消のポイント

このような症状はご相談ください

Common constipation symptoms

代表的な初期症状を把握し、見逃さないようにしましょう。

  • 3日以上排便がない
  • 1~2日に1回排便があるが、便が硬い
  • 排便後、便が残っている感じがする(残便感)
  • 便が硬く、排便時に痛みを感じる
  • 便がウサギのフンのようにコロコロしている
  • 腹痛が続いている
  • 膨満感が続いている
  • 便秘薬を使う回数が増えた、効かなくなってきた

特に注意が必要な便秘の症状

Symptoms of Constipation

重篤な疾患が隠れている可能性があり、早期受診が推奨されます。

  • 4日以上排便がない
  • 血便や下血がある/粘血便が出た
  • 便秘と下痢が交互にある
  • 強い腹痛が続いている
  • 便が細くなった
  • 吐き気・嘔吐・発熱がある

便秘の種類と主な原因

Causes of Constipation

直腸性/弛緩性/けいれん性の3タイプに分けて考えます。

直腸性便秘

直腸に便が到達しても直腸の反応が鈍く、排便に至らないタイプ。排便の我慢の反復、寝たきりなどで起こりやすい。

弛緩性便秘

蠕動運動の低下水分吸収の亢進により便が硬くなるタイプ。加齢食物繊維・水分不足下剤の長期服用などが関与。

けいれん性便秘

自律神経の乱れにより腸の動きが不安定となるタイプ。ストレス睡眠不足生活リズムの乱れなどが原因。

便秘の原因となる病気

Causes of Constipation

便秘は体質だけでなく、疾患が隠れていることがあります。

大腸がん

初期は症状に乏しいものの、進行で血便便秘・下痢便が細くなる腹痛・膨満感などが出現します。

大腸がんの解説(院内ページ)

過敏性腸症候群(IBS)

自律神経の乱れ等で腸が過敏となり、下痢や便秘、腹痛が起こります。便秘と下痢を交互に繰り返すタイプもあります。

IBSの解説(院内ページ)

潰瘍性大腸炎

大腸粘膜の慢性炎症により、腹痛・下痢・血便などを呈し、便秘・発熱・体重減少を伴うことがあります。

炎症性腸疾患(UC/CD)(院内ページ)

大腸ポリープ

多くは無症状ですが、大型化すると便秘や血便を伴うことがあります。種類によりがん化のリスクがあります。

大腸ポリープの解説(院内ページ)

クローン病

小腸・大腸の炎症性腸疾患で、腹痛・下痢・体重減少などが主。狭窄など病態により便秘となることもあります。

炎症性腸疾患(UC/CD)(院内ページ)

便秘のときの検査

Examination and Diagnosis of Constipation

症状・生活習慣・既往歴・内服の聴取に加え、必要に応じて検査を行います。

問診

便の状態(色・形・血液の付着の有無など)、随伴症状、生活習慣、既往歴・家族歴、服用中の薬剤について確認します。

主な検査

  • 血液検査(糖尿病・甲状腺機能低下症などを疑うとき)
  • 腹部レントゲン(便やガスの状態を評価)
  • 大腸カメラ検査(大腸疾患が疑われるとき)

検査の詳細は 大腸カメラ検査 をご覧ください。

当院の体制

内視鏡専門医が鎮静下で苦痛の少ない大腸カメラに対応します。

便秘の治療

Treatment of Constipation

原因疾患があればその治療を優先し、ない場合は以下の治療を行います。

生活習慣の見直し

食事では水分・食物繊維を意識し、栄養バランスを維持します。運動はウォーキング/軽いジョギング/ヨガ/ストレッチなどを継続。毎朝の排便習慣づけ、長時間の着座回避、便意を我慢しないことも重要です。

薬物療法

下剤を患者様の状態やライフスタイルに合わせて処方します。十分な効果が期待できますが、生活習慣の改善も併行し、中止が目指せる形を理想とします。

自力で便秘解消法のポイント

Constipation

毎日の工夫で、腸のリズムを整え、無理なく改善を目指します。

生活リズムを整える

起床・就寝・食事時間を一定にし、毎日決まった時間に便意が起こりやすい状態に。

決まった時間にトイレに行く

朝食後など決めた時間にトイレへ。最初は出なくても継続でリズムが整います。

便意は我慢しない

我慢の習慣は直腸の反応を鈍らせます。感じたらすぐトイレへ。

水分・食物繊維を意識して摂取

水溶性/不溶性食物繊維をバランスよく。起床後の一杯の水も腸を刺激します。

ビフィズス菌・オリゴ糖

腸内環境を整える食品を活用(ヨーグルト・発酵食品/大豆・玉ねぎ・ごぼうなど)。

脂質も適度に

三大栄養素の一つ。腸内で便の滑りを良くします。極端に減らさない。

適度な運動

ウォーキング/軽いジョギング/ヨガ/ストレッチなど、負荷は軽くても毎日継続。

ストレスケア

自律神経の乱れを避け、リラックスタイムや趣味でこまめに解消。

お腹のマッサージ

おへそを中心に「の」の字でやさしく。腸の動き・便の移動を助けます。