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Gastric Cancer

胃がん

初期症状に乏しい胃がん。分化型/未分化型の特徴や、リスク(ピロリ菌・塩分・喫煙・家族歴)、検査・治療(ESD/外科)までを解説します。

胃がんとは?

What is Gastric Cancer

病気の基本を押さえ、適切なフォローにつなげましょう。

胃がんは、胃粘膜から発生する悪性腫瘍です。がん細胞の性質により大きく分化型未分化型に分けられます。

分化型胃がん

多くはピロリ菌関連の慢性胃炎を背景に発生。表層(粘膜面)に生じやすく、内視鏡検査で発見されやすいのが特徴です。

未分化型(スキルス胃がん)

粘膜の下層から発生し、表面から見えにくいため発見が難しいタイプ。ピロリ菌陰性の胃からも発生することがあります。

早期発見が重要: 近年は内視鏡治療の進歩により、早期の胃がんなら内視鏡治療のみで根治できる例が増えています。無症状でも40歳以上は定期的な胃カメラをおすすめします。

胃がんの症状チェック

Symptoms of Gastric Cancer

初期は症状に乏しいため、気になるサインは見逃さないことが大切です。

  • 胃やみぞおちの痛み
  • 胃のむかつき・不快感
  • 食欲不振
  • 胸やけ
  • 吐き気
  • 倦怠感
  • 黒い便(タール便)

ピロリ菌感染を放置すると 胃がんになる?

ピロリ菌は胃粘膜に棲む細菌で、多くは幼少期に口移しや衛生管理が不十分な水などを介して感染すると考えられます。放置すると慢性胃炎・萎縮性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、そして胃がんのリスクが高まります。陽性なら除菌治療をご検討ください。

関連ページ:ピロリ菌感染

胃がんの原因やなりやすい要因

Causes of Gastric Cancer

特にピロリ菌感染との関連が強く指摘されています。

ピロリ菌感染

感染を放置すると慢性胃炎・萎縮性胃炎へ進行し、一部が胃がんへ至ります。実際に胃がん患者の多くでピロリ菌感染が認められます。ピロリ菌感染

関連ページ: ピロリ菌感染

塩分の摂り過ぎ

高塩分食は胃粘膜障害や炎症を助長し、胃がんの代表的リスクとされます。外食・加工食品中心の食生活では塩分過多になりがちです。

喫煙

多くのがんと同様に、胃がんとの関連も指摘されています。胃がん全体の約2割が喫煙に起因するとされます。

家族歴

直接の原因ではありませんが、血縁者に胃がんの既往があると発症率が高くなることが知られています。定期的な検査で早期発見に努めましょう。

胃がんの検査・診断

Examination and Diagnosis of Gastric Cancer

問診ののち、胃カメラで粘膜を観察し、生検・病理検査で確定診断します。

問診では、症状、生活習慣、既往歴・家族歴、服用中の薬などを伺います。

その上で胃カメラ検査(上部消化管内視鏡)を行い、食道・胃・十二指腸の粘膜を観察します。必要に応じて生検(組織採取)を行い、病理検査で確定診断します。

ピロリ菌の疑いがある場合は採血などの検査で感染の有無を確認します。当院では、鎮静(静脈麻酔)にも対応し、苦痛の少ない内視鏡検査を提供します。

関連ページ:胃カメラ検査

胃がんの治療

Treatment of Gastric Cancer

病期や病変の広がりに応じて、内視鏡的治療または外科治療を選択します。

内視鏡的治療

粘膜内に留まる早期胃がんで、リンパ節転移のリスクが極めて低いと判断される場合は、内視鏡治療で根治を目指します。外科手術と比べ身体的負担が軽いのが利点です。

内視鏡的粘膜下剥離術(ESD; Endoscopic Submucosal Dissection)

内視鏡で病変下に液体を注入して持ち上げ、高周波ナイフで粘膜下層を剥離して一括切除します。必要に応じて、経験豊富な専門施設と連携し適切な治療をご提案します。

関連ページ:内視鏡治療

外科治療

遠隔転移がなく手術で根治が期待できる場合に実施します。病変の位置や大きさにより、胃の部分切除/全摘などの術式が検討されます。個々の状況に応じ、連携医療機関と共に最適な治療方針を選択します。